長かったようなあっという間だったようなシーズンオフが明けて、昨日、エスパルス初のJ2開幕戦を迎えました。


ゴトビさんが解任になった後から、ずーっとずーっと迷走し続けて、ついにはとうとうクラブ初のJ2に降格したエスパルス。
辛かったぁ…。本当に辛かった。

勝てないことはもちろん、観客席から心ない野次やブーイングが飛ぶ殺伐としたスタジアムが辛かったし、苦悩の表情でサッカーする選手たちをみるのも辛かった。


それが、ほんの数ヶ月前のことだったのに、なんだかもう、何年も前のことのように感じた。

昨日のアイスタが活気に満ち溢れていたからだ。


昨シーズン最終節には、前監督や社長に野次が飛んで、私の席の周りでは「J2に落ちたから来年はシーズンシートを買うのをやめる」と話してる人もいた。

そんなネガティブな空気は、やはり多少なりともJ2に引きずっていくんだろうか?と不安に感じていたけど、昨日のアイスタには、そんな悲壮感は全然なかった。


雲ひとつない青空にも、ベストピッチ賞を受賞した自慢の芝の濃い緑色にも、スタジアムを埋めるオレンジ色にも、すべてにワクワクした。来場者数は15000人で満員とはいかなかったものの、昨シーズン、どんどん来客数が減って1万人前後だったことを考えれば上出来だ。


楽しい!!!めちゃめちゃ楽しい!!!!


スタジアムに来ただけでこんなにワクワクしたのは、どれくらいぶりだろう…。

しばらく忘れていたそういう気持ちが一気に蘇ってきたような、そんな初めてのJ2開幕戦だった。


それにはきっと、はるばる愛媛からマスコットのオーレくんや一平くんが来て盛り上げてくれたのも大きかったと思う。それに乗せられて一平くんのキーホルダー買っちゃったしなー(笑)

チームマスコットの力ってやっぱり偉大ですね(笑)

昨シーズンの苦しい時、パルちゃん、こぱるちゃん、ぴかるちゃんに何度も何度も癒されて救われたもんなぁ。


試合は結局スコアレスドローに終わり、白星スタートとはいきませんでしたが、正直、まだ全然悲観したりはしていません。


とはいえ、いろいろ感じた事、気づいた事も多かったJ2初戦。

そんな愛媛戦について感じたことをサクッと書いときます。



愛媛と言えば言うまでもなく、今シーズンのJ1昇格をかけてプレーオフを戦ったくらいのチームですから、そう簡単に勝てる相手じゃないことはわかってました。


のんびりとした静岡人気質がそう思わせるのか、twitter上などでは「清水サポはJ2を舐めてる」なんて意見をちらほら見かけましたけど、私の知っている限りでは、「J2に落ちたら二度と上がれないかもしれない」と危機感を抱いている清水サポの方が多かった気がします。


お隣磐田が苦戦してきたのも見ているし、私自身、J2をずっと見てきて感じてたのは、「どこのチームも内容なんか二の次で、「勝つ」ことに貪欲で、半端ない運動量で、とにかく全員気持ちがこもっている」ということ。

去年までのエスパルスには正直全部が欠けているものだと感じてたから、そんなリーグに降格したら、そう簡単には戻ってこれないだろうと思っていました。


そして実際、昨日の愛媛の戦い方を見たとき、そこで初めて、「J2入り」したことを実感しました。


愛媛の戦い方は、これまでのアイスタでは見たことがなかったような、そんな違和感があった。

最初から明確に「ドロー狙い」とも思えるような引きこもり戦術。

J1でも、先制した後に引きこもるチームはあるけど、最初から守備に人数をかけて自陣をがっちり固めるような戦い方はまずしない。リーグ戦ならなおさら。J1だったら、「勝つ気あるのか?」「シュートしろよ!」と野次が飛ぶような、そんな戦い方だったけど、愛媛はとにかく徹底して守備に重きをおいていた。


エスパルスはボールを支配して短いパスがくるくると回っているように見えたし、序盤はかなり猛攻をしかけていたように思えたけれど、途中から、もしかしてそれは守り慣れた愛媛に「持たされて」「回させられてた」だけなんじゃないかな?と次第に感じるようになった。


個々の選手のレベルで見れば、正直エスパルスの選手の方がうまいと思うプレーが多かった。

石毛くんが巧みなボールコントロールで数人のディフェンスを突破したり、白崎の華麗なトラップ&ターンや、ゲンキのキレのあるドリブルでスタジアムは大いに盛り上がった。

正直、愛媛の選手でそんな風に目を奪われるような個人技があったかどうか覚えてない。というか、多分なかったと思う。

でもそれが、愛媛の戦い方なのだろう…と私は思った。

「華麗な個人技」とか「面白いサッカー」とか、目指してるのはそういうとこじゃなくて、「組織で戦う」ことに重きを置いているのだと感じた。だから、やってることはシンプルだった。

引いて守る。シンプルにクリア。奪ったら前線にロングボール。

確かに、個人の見せ場はあまりない。

だけど結局、このシンプルな守りをエスパルスは崩せなかった。


この手堅さがJ2なのか。


新生小林エスパルスに関しては、守備は確かに成長しているように思えた。

私はオフ中のチーム状況を全く把握していなかったので、正直ゲンタがスタメンで出てきたのには驚いたけど、そのゲンタも落ち着いて守れていたと思う。犬飼の相手FWとのマッチアップが相変わらずちょっとヒヤヒヤしたし、サイドバックで福ちゃんの判断が若干遅れてボール奪われる場面もちょっと気になったけど、時々カウンター攻撃されても全体的にバタバタすることもあまりなかったように思う。

まあ、昨日は相手が引きこもり気味だったこともあるので、昨日の試合を見ただけではなんとも言えませんけども。


それよりも気になったのは、やはり攻撃面。

まず守備ありきできている相手チームに対して、エスパルスの攻撃に転じる切り替えが遅すぎるように感じた。

愛媛は攻撃から守備への切り替えが本当に早かった。攻撃してても、ボールロストした瞬間に全員があっという間に自陣に戻って陣形を整える。


昨日はFWにスピードのある航也が入ってたので、縦に早くボールを入れて、相手の陣形が整う前にカウンターを仕掛ければ点が取れたようにも思えるんだけど、ボールを持ったあと最終ラインでゆっくりボール回して遅攻になってしまうので、結局厚い壁を崩せず、フィニッシュまでなかなか行けていなかった。


引いてゴール前をがっちり固めてる守備を崩すのは至難の技だ。かつてパスサッカーにこだわり続けていた頃のバルサだって、引きこもる相手にはいつも苦労してた。


前半、ミッツが何度かミドルシュートを打った時に「おいそこで打っちゃうのかよ」なんて声が後ろの方から聞こえたけど、パスで崩そうとすると全体的に守備が下がってミドルシュート打てるエリアが空くし、そこで1本ミドルを打てば、下がってるボランチを引っ張り出すこともできて多少スペースも空くので、崩しやすくもなると思うのです。

何より、パスで崩そうとして途中でカットされるくらいなら、とりあえずゴールに向かってシュートしたほうがいい。

こぼれを誰かが押し込める可能性もあるし、相手のオウンゴールを誘う可能性だってある。


組織で守る場合、相手の攻撃がワンパターンなのが一番守りやすいわけで、ショートパスばかりでなく、ミドル打たれたり、最終ラインからの縦ポンもあったりすればその分陣形は崩れるし、そうなったらパスで崩せる可能性もでてくると思う。


それから、FW陣のシュートの意識が少し足りないように感じた。

エリアの中まで攻め込んでいるのにシュートせずにパス出してカットされる。

これの繰り返し。

攻守の切り替えが早い愛媛のカウンターを恐れての事か、ギリギリまでシュート打たない。

でも、押し込んでいる時にシュートで終わらないのは余計にリスクが高いと思うのだ。

私なんか、自分の試合の時はいつもCBで「シュートで終われよ~シュートで終われよ~絶対奪われるなよ~」って思いながら守ってる。押し込んでる時にボール奪われて突然前線にどーんと長いボールが来ると大変なんだからねっ!(えー


結局、この堅い守備を崩せずに90分終了。

途中村田くんが入って少しだけリズムが良くなった場面もあったけど、劇的に流れを変えられたわけでもなかったのが気になる。

J2にはこういう戦い方をしてくるチームが多いだろうから、これを打開する策がないと苦労するだろうなー。


それにしても、愛媛の戦い方は何かこう、潔さを感じた。

アウェイで勝点1でも必ず持って帰る!!っていうような、そういう意気込みを全体から感じる戦いっぷりだった。


J1だと試合のあとに相手チームのスタイルを馬鹿にする人が時々いる。「あんなつまらないサッカーやってて恥ずかしくないのか」とか、「〇〇頼みのクソサッカー」とか、「こんなつまらないサッカー見る価値がない」とか、なんとか…(もちろんそういう人ばかりではないけど)


正直私もずっと「サッカーは勝ち負けより内容」なんて思ってきたけど、愛媛の戦い方を目の当たりして、それまでのそんな自分の考え方が甘っちょろかった事を思い知らされたし、その点で一番の衝撃を受けた。

これがJ2か!と思ったし、だからってそれを否定的に感じるどころか、なんかすごくリアルでサバイバルな感じにしびれた(単純)


このサバイバルリーグで、エスパルスがどこまでやれるのか、不安はもちろんあるけど、それ以上に楽しみだ。

ここでなら、戦いながら強くなっていける気がしてる。

下に落ちる事ばかりを恐れてサッカーをしていたころより、上を見て、あそこにもう一度這い上がってやる!!って気持ちでサッカーしたほうが絶対に選手もチームも伸びると思う。

「これだから清水サポはJ2を舐めてる」とかまた言われてしまうかもしれないけど(笑)
 


そんなわけで、開幕戦を勝利で飾る事はできなかったけれど、昨日は、選手たちのちょっとしたプレーに歓声や拍手があがるあの感じがたまらなく嬉しかった。ほんとにここんとこのアイスタは、そんな空気じゃなかったものね。

スタジアムには笑顔がいっぱいで、J1だろうがJ2だろうが、週末にスタジアムでエスパルスを観れることが幸せだってことを再確認した。

そんな、J2開幕戦だったのでした。