ホーム戦2試合目は、J1初昇格の松本山雅との対戦。


松本山雅といえば、エスパルスの長沢駿や犬飼が成長させてもらったクラブ。

昨年は犬飼が全試合出場させてもらっていたので、J2での試合をよく見ていました。


昨年見ていた印象としては、とにかく「よく走るチームだな~」というのと、「サポのまとまりがすごい!!」というところ。

「あの応援団が日本平に来たらすごいだろうなー」と思いつつも、昨シーズン末の苦しい時期だったこともあって、「あんなに走るサッカーをやる山雅に、今のエスパルスは勝てるだろうか?」と、戦々恐々としていたことを思い出します。


スタジアムに行くときはいつも車で日本平の山を越えるのですが、スタジアムが見渡せる道まで降りて来たとき、早くもアウェイゴール裏が緑色に染まっているのを見て、何かすごく興奮しました。そういえば、私が日本平に通うようになってから、チームカラーが緑色のチームって初めてだ。


スタジアムの駐車場に車を止めてドアを開けた瞬間にもう山雅サポさんの応援の声が聞こえて来て、「うわぁ、今日はきっとすごい良い雰囲気なんだろうなぁ」と思った。


今節も日本平は満員。

通路には初めて見る山雅サポさんたちも歩いていて、なんかホント新鮮だった。

犬飼も駿も山雅でとても愛されてたようで、グッズ売り場には彼らのグッズを買い求める山雅サポさんたちが群がり、とくに犬飼グッズは軒並み売り切れだった模様。


なんか、そういうのいいなぁ…って思う。

この試合は、駿と犬飼が主役みたいだなって思った。

両方のサポから愛される選手なんて、本当に素敵だ。


ゴトビ体制の頃、若手を次々レンタルに出すことに対して、「捨てられた」と怒る人たちが多かった。でも、使えなくて捨てる選手ならレンタルにも出さないだろう。将来的に使える選手になって欲しいし、その見込みがあるから「よそで修行して来い!」って、レンタルって、そういう意味なんだと私は思ってる。

現に、駿も犬飼も山雅で、J2で、驚くほど成長して戻って来た。

J2の良い意味での泥臭さ、しつこさを身につけて帰って来た彼らは、どの試合でもとても気持ちの入ったプレーをしてると思う。


今のエスパルスの若手の中の、特にユース育ちで他のチームでのプレー経験がない選手なんかは、駿や犬飼のようにJ2のチームで一人で頑張る経験をすることも必要なんじゃないかな…と思う。

正直、山雅に行く前の犬飼のプレーを見たときは、「こりゃまだまだ使えないなー」と思った。

でも、今季山雅から帰って来た犬飼を見たら驚いた。

なんか顔つきが違う。色んな意味で、一回り大きくなったな…と思った。


見る方もエスパルスの選手がいるチームはやっぱり気になるので、色んな試合を見るようになるし、それで去年はJ2の試合もたくさん見た。そうやって、サッカー観がどんどん広がって行く。実に面白い。


そんな、色んな思いが詰まった山雅との記念すべき初対戦だったんだけど、内容も結果も、なんともザンネンなゲームとなってしまいました。


昨年ギリギリのところで残留した立場とはいえ、一応J1の先輩ですし、素晴らしい内容のゲームをして、そしてしっかり勝ちたい。その上で、「山雅さん、ようこそJ1ヘ( ´ ▽ ` )ノ」と上から目線で言いたかったのに(←え?)、序盤からいきなり山雅の勢いにたじたじになって攻め込まれ、さらにその後押しのような山雅のすごい応援に圧倒されて、試合前の和やかな雰囲気が一気に吹っ飛んだ感じでした(^_^;)

山雅はとにかくロングボールを前線に放り込むサッカー。

J2で鍛えられたフィジカルで寄せも早く、元紀や村田くんにボールが渡ってもあっという間に2人くらいに囲まれてしまいます。特に村田くんは警戒されてたのか、まったくスペースを与えてもらえず。


今季の山雅の2試合を見てると、得意のモーレツプレスもさすがに後半になるとかなり運動量もスピードも落ちてる感じだったので、この試合に限っては村田くんを昨シーズンのように後半途中からカンフル剤として投入する方が良かったんじゃないかなーと思いました。


前半は、この日先発で入ったウタカもまったく機能せず。

私はウタカのプレーを初めてまともに見たんだけど、どんなプレースタイルかも知らずに見たので、前半のウタカのプレーに目をウタカいました。いや、疑いました(←どうしても言いたかった。後悔はしていない。)


だって、ロングボールの競り合いがドヘタ過ぎて「いや、私でももうちょっと競れるで」とか思ったし(言い過ぎ)、「つーか、競る気ねーだろ?」と途中からイラオラしてきました(コワい


でも、後半、デュークが入って来てからそれが勘違いだとわかりました。

ウタカは足下にボールを入れて欲しいタイプなのね。

スペースとか浮き球とかポストとかじゃなく、足下にビシーッとパス入れて欲しい人なんだね。

デュークとのコンビネーションはばっちりで、後半はこの2人がなかなか面白いつなぎを見せてくれた。


山雅のように後ろを固めて攻撃は前線にロングボール1本…みたいな戦術の場合は、デュークとウタカのこういう早いスピードのパス回しで崩して行くしかないと思うんだけど、前半はなぜかうちまで山雅のような放り込みサッカーになっていて、「相手と同じサッカーしてどうするん(汗)」と思って見てました。


山雅のサッカーは本当にシンプルで、正直「J2の戦い方」だな…という印象だった。

それを「つまらないサッカー」と言ってた人もいたけど、それに勝てなかったのが今のうちの実力。

それは受け止めないといけないと思う。

初めての対戦で対策がうまくはまらなかったのかもしれないけど、勝たなきゃいけない相手だし、戦い方によっては勝てた試合だったと思う。


でもまあ、駿や犬飼は気持ちが入った良いプレーしてたし、ウタカとデュークが合うと言うこともわかったし、ゲンタの低くて速いクロスも可能性を感じたし、そういうところを次に活かして、1つ1つやっていくしかない。1つ負ける度に凹んでたら体が持たん(昨年の経験上


ちなみに山雅といえば、エスパルスユース出身の石原くんが今季から加入したので、それもとても楽しみにしていた。SBS国際ユースサッカーを見に行って、柴原くんと石原くんを応援したのは何年前のことだろう…。

トップには昇格できなかったけど、J2のチームへ経て、こうしてJ1の選手として日本平に石原くんが戻って来た。相手チームのユニを着てても、なんだかとても感動した。


毎年ユースからトップに昇格できるのはごくわずかで、大半は別の道に進む。

彼らの中でまた、石原くんのように違う道を辿って日本平に戻って来る選手が出て来るといいな…と思う。

楽しみだ。


てなわけで、試合はザンネンだったけど、色んな意味でワクワクできた試合でした。


なんだかんだいっても、サッカーがある週末ってやっぱ幸せですね。うん(笑)